確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。
なぜ2種類用意されているのでしょうか??
白色申告か青色申告に統一してくれれば、
そもそもどちらを選択するか悩まなくていいのに!!
と思ったりしませんか??
正解は…
取引の記録と帳簿書類の保存を習慣化し、
申告納税方式を定着させるため
です!!
これだけ見てもよくわからないと思うので、
なぜ確定申告には青色と白色があるか
について順を追って説明します。
なぜ確定申告には青色申告と白色申告がある??
青色申告と白色申告はいつ頃できた??
青色申告と白色申告ができたのは、
戦後のシャウプ勧告にまでさかのぼります。
日本の税制は『申告納税制度』というものが
戦後のシャウプ勧告で採用されます。
いわゆる「自分で申告をして税額を確定する」という考え方です。
現在でも所得税、法人税、消費税、相続税などに
申告納税制度が採用されています。
申告納税制度の問題点とは??
申告納税制度ではある問題が発生することが考えられます。
自分で申告をして税額を確定することになるため、
わざと税額を少なく計算する人が続出するということです。
当然といえば当然ですね。
誰だって支払う税金は少なくしたいものです。
自分で計算をするならば尚更ですね。
このような場合、課税当局は調査を行って、
正しい税金を納めさせることになります。
しかし調査を行ったとしても、
取引の記録と帳簿書類の保存が無いと、
正しい税金の計算のしようがありません。
申告納税制度を日本人に定着させるためには、
まず取引の記録と帳簿書類の保存を
習慣にすることが必要だったのです。
そこで登場したのが『青色申告』です。
一般申告である白色の申告書と比べると、
青色の申告書が使われたので、
そのまま青色申告と呼ばれます。
ちなみに2001年以降の所得税確定申告書は青色ではなくなりましたが、
今でも実務では青色申告と呼んでいます。
法人税確定申告書は青色のままです。
青色申告の役割とは??
青色申告とは、
取引の記録と帳簿書類の保存を日本人に定着させるために生まれました。
青色申告とは、
簡単に説明すると『税の優遇制度』です。
例えば65万円の青色申告特別控除や繰越欠損金、青色専従者などですね。
青色申告を選ぶと多くの税の優遇制度を受けられますが、
『取引の記録と帳簿書類の保存』
をする義務が発生します。
青色申告を選ぶと様々なメリットがある代わりに、
取引の記録と帳簿書類の保存をしなければなりません。
これこそが青色申告の真の役割であり、
青色申告と白色申告の二種類が存在する理由となります。
まとめ
いかがでしょうか。
戦後の日本では、
申告納税制度が採用されました。
しかし申告納税制度のためには、
取引の記録と帳簿書類の保存が必要となります。
そこで納税者に取引の記録と帳簿書類の保存を習慣化してもらうため、
税の優遇制度である青色申告が生まれたというわけです。
だから申告納税制度が定着した後にできた
消費税には青色申告がありません。
青色申告の役割は果たされたというわけですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。