【クイズで解説】役員の給料・ボーナスは経費にできる?経営者が知るべき税務の基本!何問正解できる?

税金の仕組みって、少し難しそうなイメージがありますよね。でも、ちょっとしたコツやルールを知っておくだけで、会社の経営や手元に残るお金が大きく変わってくる面白い分野でもあるんです。

今回は、会社の経営者やビジネスパーソンならぜひ知っておきたい「役員の給料やボーナス(賞与)に関する税金のルール」を、クイズ形式で分かりやすく紐解いていきます。

それでは、さっそく挑戦してみましょう!

第1問:役員へのボーナス(賞与)

一般の社員ならボーナスを出せば会社の経費(損金)になりますが、会社の「社長」や「取締役」などの役員にボーナスを出す場合、原則として会社の経費にできるでしょうか?

A. 社員と同じように、いつでも自由に経費にできる

B. 原則として経費にはできない(ただし、特別なルールを守ればできる)

C. どんな方法を使っても、絶対に経費にはできない

【正解】

B. 原則として経費にはできない(ただし、特別なルールを守ればできる)

【解説】 ここが一般の社員と役員の大きな違いです!会社の利益が出たからといって、社長や役員へその場で自由にボーナスを支給しても、原則として法人税の計算上、経費(損金)としては認めてもらえません。

なぜなら、利益に合わせて役員へのボーナスを自由に変えられると、会社の税金を簡単にコントロールできてしまうからです。ただし、「事前に税務署へきっちり報告しておく」などの特別なルール(事前確定届出給与など)をクリアすれば、役員のボーナスも経費にすることができます。

第2問:役員の給料(役員報酬)の基本

社長の毎月の給料(役員報酬)について、税金上の経費として認めてもらうための最も基本的なルールはどれでしょう?

A. 毎月、まったく同じ金額を支給する

B. 会社の利益に合わせて、毎月の金額を自由に変える

C. 半年に一度、まとめてドカンと支給する

【正解】

A. 毎月、まったく同じ金額を支給する

【解説】 原則として「定期同額給与」といって、その事業年度の間は基本的に1ヶ月以下の一定期間ごとに「ずっと同じ金額」で支給しなければならないというルールがあります。(※もちろん、年に1回、新事業年度が始まってから3ヶ月以内など、税法で決められたタイミングでの金額変更は認められています)

「今月は儲かったから社長の給料を150万円にしよう」「今月は赤字だから20万円に減らそう」と月ごとにバラバラに変えてしまうと、一定のルールを満たさない限り、経費として認めてもらえなくなってしまいます。役員の給料は「あらかじめ決めた額を毎月コツコツと同額で払う」のが大原則です。

第3問:ボーナスを経費にする「魔法の届出」

第1問で「特別なルールを守れば役員のボーナスも経費にできる」とお伝えしました。そのために、税務署へいつ・誰に・いくら払うかを事前に報告する仕組みの名前を何と呼ぶでしょう?

A. 業績連動給与

B. 定期同額給与

C. 事前確定届出給与

【正解】

C. 事前確定届出給与

【解説】 文字通り、「事前の確定した届出に基づく給与」という意味です。 この仕組みを使えば、毎月定額ではない「ボーナス」のような支給であっても、「〇月〇日に、〇〇さんに、〇〇万円支給します」と書いた届出書を期限内に税務署へ提出し、その記載通りにぴったり支給することで、しっかり会社の経費にすることができます。

第4問:届出の金額と「1円」でもズレたらどうなる?

「事前確定届出給与」の届出書に「社長へ夏のボーナスを100万円支給する」と書いて税務署に出しました。しかし、資金繰りの都合で実際には「50万円」しか支給しませんでした。この場合、経費として認められる金額はどうなるでしょうか?

A. 実際に支給した「50万円」が経費になる

B. 1円も経費として認められず、「0円」になる(全額カット)

C. 届出通りの「100万円」が経費になる

【正解】

B. 1円も経費として認められず、「0円」になる(全額カット)

【解説】 ここが一番の要注意ポイントであり、勘違いしやすい罠です! 事前確定届出給与は、「届出に書いた内容と【完全に一致】して初めて経費になる」という超厳格なルールがあります。

例え100万円の予定が50万円に減ってしまったとしても、「違った金額を払った」とみなされ、その支給した50万円すら全額経費として認めてもらえなくなります(全額損金不算入)。ただし、同一の届出書で「夏に50万円、冬に50万円」のように同じ支給日に複数名へ支給する定めがある場合、そのうち1人でも金額がズレると、原則としてその支給日における全員分が連動して否認されてしまいます。なお、夏と冬のように支給日が異なる場合は、夏がズレても冬に届出通りぴったり払えば、冬の分は経費として認められます。

第5問:予定が変わってしまったときの救済策

第4問で「1円でもズレたらダメ」と言いましたが、どうしても経営状況が著しく悪化してしまい、届出通りのボーナスを払うのが難しくなることもありますよね。そんなとき、減額するための「変更届」を期限内に出せば救済されるルール(業績悪化改定事由など)は存在するでしょうか?

A. 存在する(ただし条件が極めて厳しいため、実務では別の選択肢を取ることが多い)

B. 存在しない(どんな理由があろうとも、一度出した届出は絶対に変更できない)

【正解】

A. 存在する(ただし条件が極めて厳しいため、実務では別の選択肢を取ることが多い)

【解説】 原則はとても厳しいルールですが、法律上の救済策はあります。社長の役職変更などの「臨時改定事由」や、経営状況が著しく悪化した「業績悪化改定事由」がある場合に限り、期限内に変更届を出してその通りに支給すれば、その変更した分の経費化は認められます。ただし、この変更届は『これから支給する分を減額する』ための手続きです。すでに届出通りに支払ってしまった過去のボーナスを後から変更することはできません。この「業績悪化」のハードルは非常に高く、単に「売上が落ちた」程度では認められません。そのため、変更届の期限に間に合わなかったものの本当に資金繰り等で払えなくなった場合は、中途半端に減額して支給するのではなく、株主総会等の決議を経てその回のボーナスを『全額不支給(0円)』にするという手法が実務上よく取られます。1円も支給しなければ、実際の支給額が0円となり、その回については結果的に会社に税務上の実害(中途半端に払って全額損金不算入になる損)が出ないためです。

まとめ

全5問の税金クイズ、いかがでしたでしょうか?

最後に、今回の重要なポイントを振り返ってみましょう。

  • 役員の給料・ボーナスは「事前ルール」が命:一般の社員とは違って、役員への報酬は「事前に決めたルール通りに、きっちり同額を支払うこと」が税金上の経費にするための鉄則です。

  • 「事前確定届出給与」は金額のズレが厳禁:ボーナスを経費にできる便利な仕組みですが、中途半端に減額するなど届出と実際の支給額が1円でもズレると、その回に支給した分が全額経費として認められなくなってしまいます。

  • 困ったときは勝手に減額せず即相談を:どうしても予定通りに支払えない重大な理由や業績悪化の際は、中途半端に減額して支給するのではなく、「変更届」を出すか「全額不支給(0円)」にするか、即座に専門家へ相談しましょう。

税金のルールは少し厳しく感じるかもしれませんが、裏を返せば、正しく理解して味方に付ければ、会社の大切なお金をしっかり守りながら経営を進めることができる強力な武器になります。

「うちの会社でも事前確定届出給与を使ってボーナスを出したい」「届出の期限に間に合うか不安だ」という場合は、トラブルを防ぐためにも、ぜひ事前に当事務所へお気軽にご相談くださいね。仕組みを正しく活用して、スマートな会社経営を目指しましょう!