「うちの会社もそろそろ息子の世代に引き継ごうかな……」
「社長である父親の株を相続することになったけれど、これっていくら分の価値があるんだろう?」
自分が育ててきた会社や、ご家族が経営している会社の「株式」。
上場している大企業なら、スマホで検索すれば一瞬で今日の株価がわかりますよね。
しかし、世の中のほとんどの中小企業のような「上場していない株式(取引相場のない株式)」は、一体どうやって値段が決まるのでしょうか?
「自分で好きに決めていいの?」
「休業中なら0円?」
今回は、そんな疑問や勘違いしやすいポイントを、クイズ形式で楽しく学べるようにまとめました!ぜひ全問正解を目指してチャレンジしてみてくださいね。

第1問:上場していない会社の株、値段はどうやって決まる?
自分の会社を長年営業してきた社長さん。会社の上場はしていません。この「取引相場がない株式」をご家族に引き継ぐとき、その株式の価値はどうやって決まるでしょうか?
A:株をあげる人が自分で「1株100円!」と自由に決めてよい
B:国税庁が定めたルール(評価方式)に沿って計算する
C:会社を作ったときの出資額のまま、絶対に変わらない
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【正解】
B:国税庁が定めたルール(評価方式)に沿って計算する
【解説】
ニュースでよく見る上場企業の株なら「今日の株価はいくら」とすぐに分かりますが、世の中の大半を占める中小企業の株式には市場での値段がありません。
だからといって「自分たちで自由に決めていい」としてしまうと、税金を安くごまかすことができてしまいます。そのため、国税庁があらかじめ定めた全国共通の計算ルール(財産評価基本通達)を使って、会社の財産状況や儲かり具合などから株の値段を計算することになっています。
第2問:会社のサイズで株の「値段の測り方」が変わるって本当?
取引相場のない株式の値段を計算するとき、実はその会社の「規模」によって計算方法が変わります。 では、国税庁のルールで「大会社(大きな会社)」と分類された会社の株価を計算するとき、主にお手本として参考にするものはどれでしょう?
A:その会社と同じような業種にある「上場企業の株価」
B:社長さんの個人的な貯金残高
C:その会社の「昨年度の売り上げ金額」だけ
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【正解】
A:その会社と同じような業種にある「上場企業の株価」
【解説】
国税庁のルールでは、会社の規模を「大会社」「中会社」「小会社」の3つに区分します。
規模の大きい「大会社」は、実質的に上場企業に近いビジネスの規模や影響力を持っていると考えられます。そのため、同じ業種の上場企業の株価や、配当・利益・純資産(1株あたりの純資産価額)などをベースにして計算する「類似業種比準方式」という方法を使います。
反対に「小会社」の場合は、もし今会社を清算したらどれくらい財産が残るか?という純資産価額方式で評価するのが基本となります。会社のサイズによって一番しっくりくる「ものさし」を使い分けているんですね!
第3問:社長ファミリーと「ちょっとだけ株を持つ社員」、評価方法は同じ?
会社の経営権を持っている「社長ファミリー(同族株主)」が株を引き継ぐ場合と、経営には関わっていない「ごく一部の株だけを持っている株主」が株を引き継ぐ場合、株の評価方法は同じでしょうか?
A:誰がもらっても株の評価方法はまったく同じ
B:経営に関わらない株主の方が、安く評価されやすい特別なルールがある
C:経営に関わらない株主の方が、高く評価されるルールがある
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【正解】
B:経営に関わらない株主の方が、安く評価されやすい特別なルールがある
【解説】
会社を自由にコントロールできる社長ファミリー(同族株主)にとって、会社の株式は「経営権そのもの」なので高い価値として評価されます。
一方で、経営に関わらない少数株主にとっての非上場株は、自由に売ることもできず、会社を動かせるわけでもありません。そのため、その株から得られる「配当金」の金額(配当を出していない場合でも一定の基準で計算)に着目して、株の価値を低めに計算する「配当還元方式」という特例ルールが認められています。
「誰がその株を持つか」によって税金上の評価がガラリと変わるのが、株式評価のとても重要なポイントです。
第4問:ずっと休業中の会社…株の評価はどうなる?
会社を作ったものの事業活動を行っていなかったり、現在は活動を止めて「休業中」にしていたりする会社があります。 このような「休業中の会社」の株式を引き継ぐ場合、株の評価はどうやって行うでしょうか?
A:事業をしていないので、株の価値は自動的に「0円」になる
B:売買が一切発生しないので、税金上の評価は免除される
C:会社が今持っている実際の財産(純資産)をベースにして評価する(ただし特例が適用される)
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【正解】
C:会社が今持っている実際の財産(純資産)をベースにして評価する(ただし特例が適用される)
【解説】
休業中の会社は、売上や利益などの営業活動が行われていません。そのため「同業他社と比べる(類似業種比準方式)」という計算方法は使えず、会社を清算したと仮定して現時点の資産から負債を差し引いて計算する「清算中の会社に準じた評価(純資産価額)」で計算することになります。
ただし注意が必要なのは、通常の純資産価額方式で認められる「含み益に対する法人税相当額の控除(約37%控除)」が、休業中の会社には適用されない点です。そのため、事業を休止していても思っている以上に株の評価額が高く計算されるケースがあります。「お休み中の会社だから税金もかからないだろう」と油断せず、残っている財産に応じた適切な評価が必要です。
第5問:非上場株式の評価計算、自分でパパッとできる?
取引相場のない株式の評価計算。一般の方が自分で少し調べて計算し、申告することはできるでしょうか?
A:電卓と算数の知識があれば、15分程度で簡単に計算できる
B:会社の決算書や資産・株主の状況など、専門的で複雑な確認が必要
C:国税庁のサイトに会社名を打ち込めば、自動で一瞬で算出される
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【正解】
B:会社の決算書や資産・株主の状況など、専門的で複雑な確認が必要
【解説】
国税庁からは「取引相場のない株式の評価明細書」という計算用のシートが提供されており、これを使えば計算の手順自体は分かるようになっています。
しかし実際には、事前に「会社の規模(大・中・小)を正しく調べる」、「株主が同族に該当するか判定する」、「会社が所有している土地や建物の評価額を割り出す」など、いくつもの前提条件を専門的にチェックする必要があります。
評価を間違えてしまうと税金を余計に払いすぎてしまったり、後から不足分を指摘されて追徴課税になってしまったりするリスクがあります。実際に非上場株式の贈与や相続が発生した際は、税理士などの専門家に相談して進めるのが最も安心で確実です!

まとめ
今回のクイズはいかがでしたでしょうか?
上場していない株式の評価は、一見すると「いくらでも良さそう」と思われがちですが、実際には国税庁が定めた細かいルールに基づいて計算されています。
特に会社の規模や株主の立場、さらには保有している資産の状況や休業中かどうかによって評価方法や計算ルールがガラリと変わるため、自己判断で進めてしまうと思わぬ税金のトラブルにつながることもあります。
事業承継や相続で株式を渡す・引き継ぐ可能性がある方は、「まずはうちの会社の株ってどうやって計算するんだろう?」というイメージを持つきっかけとして、今回のクイズを参考にしていただければ幸いです。気になる点があれば、早めに税理士などの専門家に相談してみることをおすすめします!